リーガルブログ

2013年10月

2013年10月の記事一覧です。

民法改正パートⅤ

2013年10月05日

1 私には出来ない!

こんにちは、博多の花田です。私は司法書士です。司法書士である以上、私生活においても契約書の文言をよく読み、内容をきちんと理解した上で契約などを締結すべきだと思います。そうは思いますが、実際には読んでいません。正確に言うと、約款を全く読んでいないのです。そうです、携帯電話を買ったときについてくる、銀行口座を開設したときについてくる、保険に加入したときについてくる、分厚くて細かい字が書き連ねられたあれです。これらを逐一全部読むのは、正直言って私には無理です。

約款とは、「多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条項の総体であって、それらの契約の内容を画一的に定めることを目的として使用するもの」と中間試案の中で定義されています。要するに、たくさんの人と機械的に契約を交わすため前もって契約内容が定められている契約書、といったところです。ポイントは、契約の中身が一方的に決められていて、相手方はこれを承諾するしないかの二者択一しかないという点です。

2 読んでないやつが悪いのか?

約款の中身は、さまざまなケースを想定して規定されています。たとえば、預金口座が犯罪に利用されたときは云々といった具合です。当然、約款にあてはまるような事態が生じれば、契約の相手方(一般に消費者)は約款に拘束されることになります。

しかし、何か割り切れないものを感じませんか?読んでないのは、私も悪いのかもしれないけれど、通常の約款は消費者に読ませようという意志が感じられず、又実際に読んでみてここがおかしいと思っても内容の変更を請求することもできない。仮に、約款の中に常識では想定できないようなトンデモナイ規定があったとしてもそれに従わなくてはならないのか?

一方で、通常契約は両者の合意のもと成立します。約款にもこの点を厳格に求めるとすれば、現代社会は成り立たなくなりそうです。電車一本乗るのに運送約款に逐一目を通さなければなりません。これでは、みな遅刻します。企業は、消費者と個別に契約内容を交渉したうえで製品を販売しなくてはなりません。とても大量販売ビジネスはできそうにありません。

ここでも、相対立する利害の調整を図るものが必要になりそうです。

3 頼るべきは判例でいいのか?

現在、約款によって契約をすることはその旨の黙示の意思表示があったんだ、として広く認められるところです。判例も、保険約款等の拘束力を認めています。一方、当事者が認識していなかった条項や不合理な条項等案件によってはその効力を否定した判決もあります。約款取引が通常認められている保険等の業種はよいでしょうが、インターネット取引など約款がウェブサイトにリンクされているものを法的にどう評価していくのか、など裁判で個別に判断されるのみでは心もとない気がします。

実は、約款について一般的に規定した法律はありません。業界ごとに作られた特別法の中で規定される場合はありますが、あくまでも適用があるのはその業界の中だけです。これでは、次から次に生まれてくる新業種を規制できません。ならばこの際、民法の中で約款について明確なルールを規定して、約款取引から生じる法的不確実さを除去しようと提案がなされています。

4 何を規定すべきか?

ポイントは

①たとえ読まれていない約款であっても、どのような要件を満たせば契約として効力を待つのか明確に定める

②約款に不当な条項が含まれている場合に効力が否定される基準を明確に定める

③一方的に作られた約款の中身を、これまた一方的に変更する場合の要件を定める

①については、2つの要件が規定されています。「契約に約款を用いることの合意」「契約締結時までに相手方が合理的な行動をとれば約款を知ることができる機会が確保されている」です。合意は黙示の合意でも構いません。要するに、常識的にここは約款でしょう、という認識です。約款自体は読まなくてもOKで、とにかく読みたい人が読める状態にしておいて後は契約者の自由選択に任せるということです。

②については、①だけでは不良約款が紛れ込んでしまうため、約款の質を一定程度保つための規定になります。こちらも、2つあって、まず「契約の相手方が、約款に含まれていることを合理的に予測することができない条項は無効」。これを不意打ち条項といい、たとえば約款の中にいつのまにか本契約とセットで別契約を結ぶ旨が書かれている場合です。もう一つは、「その条項があるため、契約の相手方に過大な不利益を与えるときはその条項は無効」これは、不当条項といい、基本的に読まれることのない約款の中でこんなこと書いたらダメでしょ、というものです。たとえば、利用者からの解約は一切認めない、などです

③については、時代が変われば法令や社会情勢も変わりますから、どんなに注意して作った約款であっても内容を変更しなくてはならない場合が出てきます。この時、多数の人からいちいち変更の了承をもらうことは、現実的に不可能ですから代替手段を考えなくてはいけません。いつの間にか不利に変更されていたりすれば、困りますもの。要件としては、変更する必要性、変更内容の合理性、契約が多数にのぼり同意を得ることが困難である事情、不利益変更であればそのための適切な措置、変更の周知をすること等です。

5 契約自由の原則はわかるけど

どんな契約を結ぶかは公序良俗に反しない限り当事者の自由だ、というのが民法の大原則です。しかし、私たちは、多くの契約ごとの中で生活しています。電車1本乗るのにも、運送契約というものが鉄道会社との間で人知れず成立しています。自由であることは重要ですが、すべてを一から自由に決めるのは逆に不自由であるというパラドックス(逆説)もまた真実です。約款とは、そのパラドックスへの解決策の一つにほかなりません。約款が果たしている現代における役割を考えるにつけ、約款というものが改正民法の中で明確に規定されることの意義は決して小さいものではない、と私は思っています。

すっかり秋めいた博多より 花田

 

 

★10月★

2013年10月01日

2013100101.JPGみなさまこんにちは!

お久しぶりのBちゃんだよッ!!!最近の金生事務所は3人とも全くぼくとしきぶ~に構ってくれなかったのね!

9月の始めにぼくとしきぶ~をお月見バージョンに衣替えしてから、ほんとに全く!まったく!!マッタク!!!

構ってくれなかったの!!!(プンプン!!!)

で、今日、やっと構ってくれたの ♥

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ふふふ。ハロウィン仕様だよ~ッ✿

後ろのかぼちゃくんにはお菓子がいっぱい入ってるよ!

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トリック オア トリート!!!!!♪