相続その3!で
「法定相続分は、遺言書等で相続分が決められていない時に出てくる補充的な定めなのです。」
と説明しました。
それでは本日は、遺言書で相続分が定められていたときのお話
そもそも遺言は、民法961条により、「15歳に達した者は、遺言をすることができる」、とされていて、
15歳以上なら未成年者でも遺言が可能です。
ただし、遺言は被相続人の最期の意思ですので、嘘の遺言ができなくするため、
その方 式を法律で厳格に定めています。
一番大事なのは、遺言の内容は紙に記載するのが大前提だということです。
極端に言えば、チラシの裏にでも遺言を書くことができるのです
意外なようですが、実際にそのようなことがあったとのお話をお客様から聞いたこともあります。
今日は遺言書がメインではありませんのでこの辺にして、
遺言で相続分が定められていた場合の話です。
【ケース】
被相続人であるAさんには、その配偶者Bと子C及びDがいました。
相続人はこのB・C・D3人だけで す。さて、Aさんの死後、
「全ての現金、預貯金、不動産その他一切の財産はCに相続させる。」
と書かれた遺言書が発見され、Cが相続財産全てを受け取ってしまいました。
法定相続分では、B2/4・C1/4・D1/4ずつ相続しますので、それを期待していたDさんは納得できませんでした
このような場合、Dさんは何か法的に主張できることがあるのでしょうか?
答えは、「あります」
それこそがタイトルの「遺留分」というものです
★遺留分★(私なりに説 明してみます)
相続人のうち、一定の者にのみ認められた法律により確保された相続分。
どうでしょうか? わかりにくいですかね
具体的な説明です。
まず、遺留分を主張できる者(遺留分権利者)は、次のような者です。
「兄弟姉妹以外の相続人」(民法1028条)
つまり兄弟姉妹が相続人になる場合は、遺留分は主張できないことになりますね。
次に遺留分を主張できる割合は以下のとおりです。
①親 などの直系尊属のみが相続人である場合・・・・1/3
②それ以外の場合・・・1/2
それ以外の場合とは、相続人となるのが、配偶者のみ・配 偶者と子や孫等・配偶者と直系尊属・子や孫等のみのパターンです。
そうなると、【ケース】では、「②それ以外の場合」に該当します。
しかし、遺留分権利者は他にもいますので、このように複数の遺留分権利者がいる場合、
各人の遺留分は上記を法定相続分で按分したものになります。
そこで、Dの遺留分は、 1/2×1/4=1/8となります。
勘違いしがちなのが、他の遺留分権利者Bが自己の遺留分を主張しない場合に、Dがそれも含めて主張できるかどうか、という点です。
これはできませんのでご注意を
つまり、Bの判断と関係なく、Dの遺留分は1/8だけ、ということです。
結 果として、DはCにAの相続財産のうち、
1/8に相当する金額の分だけ金銭や不動産等をCから返してもらうことができ るのです。
このように、遺留分は、一定の割合だけは兄弟姉妹を除く相続人に確保される相続分で、
それは 遺言書に書いてある内容をも打ち破る効力を持つものなのです:!:
(※ただし、遺留分 を主張するかどうかは遺留分権利者の自由です。)
遺言も何時いかなる時も絶対というわけではない、ってことですね。
今日は、少し難しいテーマでしたが、いかがでしたでしょうか?
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